温室効果ガスの最大の原因は、何であるか、みなさんはすでにご存知でしょうか?
それはメタンガスと亜酸化窒素です。
では、それらはどこから発生するのでしょうか。
地球温暖化の原因は車でなくて牛
自動車や飛行機などの運送により二酸化炭素が排出されます。
一方、畜産では牛のゲップとオナラにより大量のメタンガスが排出されます。また、糞尿からはメタンガスと亜酸化窒素が排出されます。
温暖化係数で言えば、メタンガスは二酸化炭素の約25倍、亜酸化窒素は約300倍です。
そのため、最近では、牛のゲップやオナラが減る飼料の開発がされているそうです。
下図は、tanao(私の弟)が、「IPCC」と
「AR5 WG3 政策決定者向け要約 :Fig.SPM.1https://ondankataisaku.env.go.jp/communicator/files/WG3_guidebook_151016.pdf」
のデータから、
畜産業における二酸化炭素・メタンガス・亜酸化窒素の量と、畜産業によるそれぞれの実質的な温暖化効果を算出しました。
この結果を見ると、亜酸化窒素の破壊力が凄まじいことがよく分かります。
「温暖化最大の原因は牛のゲップ」とよく言われますが、それは違うことが上図から読み取れます。
家畜による亜酸化窒素の排出量は4.8%ですが、その温暖化係数が300倍のため、畜産の実質的な温暖化への影響は、メタンガスより高くなることが分かります。
そのため、私はメタンガスではなく、亜酸化窒素が最大の原因であると考えます。亜酸化窒素は牛の糞尿から発生するため、牛の糞尿が原因だと言えます。
これは、あくまでも私見です。
IPCCとワールドウォッチ研究所の研究結果の違い
IIPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change(気候変動に関する政府間パネル)とは、世界有数な科学者が、人為的な気候変動のリスクに関する、最新の科学的・技術的・社会経済的な知見をとりまとめて評価し、各国政府にアドバイスや気候危機の対策案を提供する政府間機構です。
このIPCCによると、温室効果ガスの13%が車や飛行機などの運送による二酸化炭素が占め、18%が家畜によるメタンガスや亜酸化窒素が占めるそうです。
しかし、これに異議を唱えた研究データがあります。
ワールドウォッチ研究所によると、二酸化炭素やメタンガスの吸収源(海への二酸化炭素吸収や植物の光合成)の減少を考慮した上で、家畜による温室効果ガスは51%であると発表しました。
いずれにしても、温暖化係数を考慮すれば、家畜が温室効果ガスの最大の原因であると分かります。
しかし、政府や環境団体は、化石燃料の話ばかりです。
環境団体にメールや電話でその理由を聞こうとし、数か月間粘ったが、誰も話したがらなかったそうです。(Netflix 「Cowspiracy:サステイナビリティの秘密」の映像内により)
家畜と運送は今後どちらが増加するのか
エネルギー関連の二酸化炭素排出量は2040年に2割増加します。
一方、畜産では2050年に8割増になります。
なぜなら、畜産業の消費量が世界的に増える傾向があるためです。
今後、化石燃料を一切使わなくても、温室効果ガスの排出量は増え、2030年には限界値を超えます。
つまり、畜産だけでそれほど増加してしまうのです。
(環境研究者 Dr.Richard Oppenlander)
メタンガス減少による効果の速さ
メタンガスの排出を減らせば、その影響は数十年で出ます。しかし、二酸化炭素の場合は、排出量を減らしても、変化が起きるまで100年はかかるのです。(カリフォルニア大学 国際環境衛生学 教授 Kirk R.Smith)
これほどまでのメタンガスと二酸化炭素の減少後の効果の違いには、驚きです。
二酸化炭素の減少の対策よりも、肉の消費をなくせば効果は絶大でしょう。
肉の消費を半分にするだけでも、試す価値はあります。
これを共通認識として、各国の政府が取り入れるのももう少しだと思います。
すでに、イギリスではその動きが出ています。
イギリスのスーパーから肉がなくなる?
イギリスで、第1位の大手スーパー(Tesco:日本で置き換えるとイオン)は肉の消費が激減したため、販売が停止となりました。
また、第2位の大手スーパー(ASDA:日本で置き換えるとセブン&アイ)も肉と魚の販売を停止しました。
ASDAはイギリスに400店舗もありますが、すべての店舗で販売が停止されました。
これは、顧客のニーズがなくなったためです。
最後に
私たちの食事の選択により、これほどまで温暖化を促進させてしまっているとは、かなり衝撃でした。
政府・企業・団体の裏にはお金が絡んでいます。そのため、私たちが動物性食品の摂取を減らし、お金をその企業に払わなければ、彼らは他の商品を生産するようになるでしょう。
つまり、需要と供給です。
そういう消費者が少しずつ増えれば、大きな影響となります。私たち、消費者が変われば、世界も変わります。
参考 Netflix 「Cowspiracy:サステイナビリティの秘密」
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