遠い世界のことは、忘れがちで、目の前の便利さや美味しさに、すぐ飛びついてしまうことが多くあります。
今回は、私たちの住む世界とは全く違う、北極に住むホッキョクグマについて書きたいと思います。
地球温暖化により、氷塊がなくなり、エサを得られないホッキョクグマは共食いを始めています。特にホッキョクグマの赤ちゃんは、オスのホッキョクグマに食べられる危険性があります。
地球温暖化によりホッキョクグマは共食いを始める
ホッキョクグマは、このまま温暖化が続けば2050年には3分の2に減少し、100年以内に絶滅すると言われています。
地球は温暖化により、この200年で1.1度上昇しました。大きな数字には見えませんが、それを人の体温で考えてみて下さい。36°5が37°5になったら発熱しており、健康状態とは言えません。
1.1度は地球にとって大きな変化です。
世界中が記録的な猛暑に見舞われた2019年は、
6月と7月、9月の3カ月で、それぞれ観測史上最高または最高と並ぶ暑さを観測した。
それ以外の月もすべて、1880年に統計を取り始めて以来、
上位5位以内に入る暑さだった。
米海洋大気局(NOAA)の統計によると、
6月は世界の陸上と海面の温度が20世紀の平均を0.95度上回り、
2016年の記録を抜いて史上最高となった。
CNN
そして、北極圏は地球の温度の2倍の速さで上昇していきます。
温暖化により氷塊が溶け始め、海水が顔を出すと、その熱を吸収し、あっという間に氷が溶けていきます。そうなってしまうと、負のループに落ち入ります。海水の温度が温められ、氷が溶け、さらに海水が顔を出し、氷が溶けていきます。
北極圏は、過去の平均20℃以上を記録しています。
ホッキョクグマは、アザラシが海氷の割れ目から顔を出したところを狙って、アザラシを捕獲します。アザラシは脂肪がたっぷりあるので、ホッキョクグマにとっては重要なエネルギー源となっています。
しかし、氷が溶けているため、アザラシは氷上にやってきません。従って、ホッキョクグマはアザラシを狩りすることができなくなっています。
そのため、ホッキョクグマのオスは、メスと赤ちゃんを追跡し、赤ちゃんを食べることがあります。その際、メスは子を助けようとします。しかし、メスも、体の大きいオスに食べられる可能性があるため、争い事は避け、すぐに立ち去ることが多いです。お腹の空いたオスが、妊娠中のメスの巣穴まで追跡し、メスを食べたというケースもあります。
餌がない場合、ホッキョクグマは共食いを始めるのです。
環境団体や研究者がホッキョクグマを観察しているとき、餌をあげたり、介入したりすることは、法律により禁じられています。そのため、餓死したり、溺死したりする彼らを、ただ見ていることしかできません。
本当に悲劇的なことです。
一年ずっと密着して観察したホッキョクグマの親子は、結局餌が見つからず、餓死したという場合もあります。
北極圏にあるロシア領のノバヤゼムリャ列島では、餌を求めてホッキョクグマが住民のいる街に出没しています。そのため、ホッキョクグマを射殺したり、退治したりし、絶滅危惧種であるホッキョクグマの、更なる種の減少が懸念されています。
泳ぎによるホッキョクグマの長距離移動
ホッキョクグマは、泳ぐことが時々あります。それは、その氷塊にエサがなく、他の氷塊を探さなければならない時です。ホッキョクグマにとって食料のアザラシは重要です。しかし、氷が溶けることにより、アザラシが氷上にいなくなってしまいました。
英BBCが、「アラスカ北部のボーフォート海で、ホッキョクグマの生態を研究している、アメリカの研究者ジョージ・ダーナー氏のGPSを利用して得られた情報の報告として、ある1頭の雌のホッキョクグマが、水温2~6℃の状態の中、232時間(10日間弱)、687キロの距離を休むことなく泳いだ」、と驚くべき事実の報告を記事にしています。1995年以前は夏にも氷塊は存在していたにもかかわらず、現在は、夏にはそれが溶解してしまっているために、全体としてホッキョクグマが泳がねばならない距離が非常に長くなっています。今回、観察された雌のホッキョクグマは、さらに1800kmもの距離を移動したため、体脂肪が5分の一以上も減少しました。
一歳になっていたと思われる赤ちゃんは、この長距離の移動に耐えられなかったという事実を挙げています。
上の写真のように、泳いで氷塊にたどり着いたと思っても、大きな塊ではなかったりします。どこまで泳いでいっても、温暖化により、溶けた氷塊ばかりです。
このホッキョクグマが大きな氷塊にたどり着けたのかどうかは分かりません。
地球温暖化により、ホッキョクグマは長距離の泳ぎを強いられているのです。
最後に
彼らの命を奪うのではなく、彼らを救うためにできることがあるはずです
地球のオゾン層を破壊する原因とされる温室効果ガスの最大の原因は家畜によるメタンガスです。自動車の排気ガスよりも大きいのです。
週に1回お肉を食べない日があったり、お肉の消費を減らしたりすることで、地球への負担は減ります。
しかし、「そう思って実践しても、やってるのは自分だけだから、意味がない」と思うこともあるでしょう。でも、そう考えてる人、全員がそれを実践したら?
とても大きな効果になります。
地球のために何かできることがあれば、ぜひ行動してみて下さい。
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