ヴィーガンはハチミツを食べません。
その理由にはヴィーガンの動物愛護や環境保護の観点があげられます。
それについて説明していき、おすすめの代用甘味料、GI値についても紹介していきます。
- ヴィーガンがハチミツを食べない理由を知りたい!
- ハチミツを食べるとどんな影響があるの?
- ハチミツの代用でおすすめの甘味料は何?
ヴィーガンがハチミツを食べない理由
ハチミツは動物性由来
ハチミツは「蜂が、花から採取した蜜を胃の中で一度消化して吐き出したもの」です。
このように蜂を介しているため、ハチミツは植物性由来ではなく、動物性由来に含まれます。
食品や化粧品類で、このハチミツが入っているがために、購入できないことは多々あります。
ハチミツはヴィーガン商品でないという認知度はまだ低いです。
養蜂家で失われる蜂の命
養蜂家では、蜂の巣が管理されています。
しかし、養蜂家は、蜂が一匹でも病気になると他の蜂も病気になることを恐れ、その巣をまるごと燃やしてしまいます。
そのため、病気になっていない蜂や蜂の子までも命が失われることになります。
蜂の巣をまるごと焼くことは、「倫理的に問題なのではないか」ということで、ハチミツを疑問視するヴィーガンもいます。
蜂の失踪現象である蜂群崩壊症候群
1990年代から2000年ごろ、蜂が大量に失踪する現象が観察されるようになりました。
それは、ヨーロッパ全域、アメリカ、ブラジル、インド、台湾、日本など世界各地で見られました。
この原因不明の蜂の大量失踪の通称は、『蜂群崩壊症候群(CCD : Colony Collapse Disorder)』です。
蜂の巣の周りには死んだ蜂はほとんど見られません。
CCDは養蜂家でも見られました。
今現在も、失踪のメカニズムは不明のままですが、いくつか研究結果が報告され、その原因が特定されてきました。
蜂の失踪の主な原因は下記の通りです。
農作物の7割は蜂に依存します。
ミツバチは農作物の受粉において中心的な役割を果たしているため、食糧安全保障にとって極めて重要であり、ミツバチの消失は経済に壊滅的な影響を与えます。
このような蜂の失踪を危惧して、国連環境計画(UNEP)は『世界的な蜂の減少』に対し警鐘を鳴らしました。
2006年にフランス、2008年にドイツ・イタリアで一部の農薬の使用が禁止となり、2013年にEU連合でも農薬(クロチジアニン/イミダクロプリド/チアメトキサム)の規制が導入されました。
2015年アメリカでは、オバマ大統領の政権により、政府からミツバチの生息地とミツバチを病気や農薬から保護する方法の研究に資金が提供され、ミツバチの失踪を減らす取り組みが進められました。
このように蜂が世界的に減少しているため、各国の政府は対策を取り始めました。
消費者側からは(環境活動家やヴィーガン)、個体数が激減している蜂を介するハチミツという商品を疑問視する声が上がっています。
ハチミツの代用
メープルシロップで樹林の保全に貢献
カナダでは、メープルシロップを採取できるカエデが、違法伐採される問題が生じています。
そこで、カナダのケベック州法により、メープルシロップを採取し、生産に使われるカエデは、保護されることになりました。
この保護されたカエデの樹林は伐採されることはありません。
一方、樹液を採取していないカエデは、生産に使用されるまでは保護されません。
そのため、伐採される可能性が常にあるそうです。
つまり、メープルシロップを消費することで、間接的にカエデの木を伐採から守ることに繋がります。
メープルシロップの生産者たちは『森の番人』とも呼ばれています。
日本は甘味料として蜂蜜が主流ですが、環境保全の観点からメープルシロップを取り入れてみるのはいかがですか。
低GI値でおすすめのアガベシロップ
アガベシロップは他の甘味料と比べて著しく低いことが分かります。原料はテキーラです。
砂糖よりカロリーが25%も低いことに加え、甘さは砂糖の1.3倍です。
しかし、アガベシロップに含まれるフルクトースにより、肝機能に負担をかける可能性があります。
フルクトースは果物にも含まれていますが、アガベシロップの場合、成分の90%がフルクトースであるものもあります。
そのため、低フルクトースのアガベシロップも販売されています。
また、クセがないため、どんな料理やお菓子にも使いやすいです。
よく買っているのがこちらです。
GI値とは何か
血糖値のしくみ
GI値とは、食後の血糖値の上昇の速さを示します。糖質は消化酵素により分解され、ブドウ糖(グルコース)となります。
ブドウ糖は、小腸で吸収され、血中に流れます。これにより、一時的に血糖値が上昇します。
血液中のブドウ糖(つまり血糖)は、膵臓から分泌されたインスリンにより、血中から筋肉や、肝臓に取り込まれます。
よって、血糖値は低下し、正常値に戻ります。
GI値は、炭水化物50gを摂取した時の、血糖値の上昇の度合いに対し、ブドウ糖を100とした相対値です。
急激に血中のブドウ糖が多くなります。それにより、大量のインスリンが分泌され、ブドウ糖が細胞に取り込まれます。
しかし、余ったブドウ糖は、肝臓や脂肪に蓄積され、脂肪肝や中性脂肪の原因となります。
そして、急に高血糖から低血糖になるため、眠気が生じたり、すぐに空腹がやってきたりします。
ゆっくりと血中にブドウ糖が流れ、インスリンもゆっくりと分泌されます。
それにより、血糖値の上昇から下降まで、緩やかに変化していきます。
甘味料のGI値を比較
ここで甘味料のGI値を紹介したいと思います。
- 白砂糖109
- 三温糖108
- 黒砂糖99
- 玄米水飴98
- 蜂蜜40〜75(蜂蜜の種類により異なります。)
- てんさい糖65
- メープルシロップ55
- デーツ40
- ココナッツシュガー35
- アガベシロップ20
- ステビア0
糖は、白砂糖を遠心分離にかけ、煮詰めたものです。
つまり、三温糖は、牛骨フィルターを介して生産される白砂糖が原料であるため、ヴィーガンにとってはグレーゾーンに入ると思います。ヴィーガンの人たちの中には、避けている人もいるでしょう。
黒砂糖は、高GI値ですが、サトウキビの搾かすであるため、ミネラルが豊富で、カロリーも低めです。
玄米水飴は、その名の通り、玄米から作られます。精白されたものを避け、玄米を推奨するマクロビオティックの料理に、よく登場する甘味料です。
てんさい糖は、黒糖より多くないですがミネラルを含みます。また、オリゴ糖を含むため、腸内の善玉菌を活性化させます。
ココナッツシュガーは、ビタミンとミネラルが豊富です。
デーツツは、ビタミン(葉酸・ビタミンB)や、ミネラル(鉄・カリウムなど)が豊富で、食物繊維も含まれます。一日3粒までと言われるほど栄養価が高く、カロリーも高いです。昔、中東の人が砂漠を旅する時、食料はデーツのみで乗り越えました。それほどデーツは栄養が豊富です。
デーツのおすすめ商品は以下の記事で紹介しています。
最後に
ヴィーガンのハチミツを食べない理由やその代用甘味料についてのご紹介はいかがでしたか?
今後、大量失踪した蜂をどうやって呼び戻し、個体数を回復させるかが、私たちの食糧不足問題を大きく左右することになるかも知れません。
ヴィーガンでない人も、ハチミツの必要性について今一度考え、ご家庭で使用しているハチミツを、他の甘味料に変えてみるのはいかがですか?
私は、ヴィーガンになって蜂蜜を買わなくなりました。その代わり、アガベシロップやメープルシロップを使っています。
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