いよいよ2021年の1月がやってきました。
毎年訪れる1月は、ヴィーガンにとってとても意味がある月です。
ヴィーガニズムが世界的に広まっていますが、「ヴィーガニュアリー」という言葉を聞いたことはありますか?
1月になるとSNSで見かける機会がある人もいるかと思います。
今回は「ヴィーガニュアリー」の意味や動向についてご紹介します。
- ヴィーガニュアリーってどういう意味?
- ヴィーガニュアリーは何をするの?
- ヴィーガニュアリーはどれくらいの人がコミットしてるの?
- コロナウイルスとヴィーガニュアリーがどう関係してるの?
ヴィーガニュアリーとは何か
ヴィーガニュアリーの語源は、Vegan(ヴィーガン)とJanuary(1月)を混合したもので、英語では「veganuary」と書きます。
ヴィーガニュアリーとは、1月から1か月間、もしくはそれ以降も継続してヴィーガンを試してみようという非営利団体のキャンペーンです。
1月は新年の抱負として新しいことにチャレンジしたり、目標を立てたりするため、それにちなんで「ヴィーガニュアリー」ができました。
という意味です。
ヴィーガニュアリーの非営利団体は、2014年にイギリスを拠点として設立されました。
ヴィーガニュアリーは、世界で最も大きなヴィーガンムーブメントです。
現在、ヴィーガニュアリーに登録している人は、世界各国(北朝鮮、バチカン市国、エスワティニ(旧称スワジランド)を除く)から集まっています。
ヴィーガニュアリーには、無料で登録ができます。
(登録は以下のURL→https://veganuary.com)
登録者はEメール、FacebookなどSNSを通じて「ヴィーガンレシピ」や「ヴィーガンの栄養」、「ヴィーガンのお店」などの情報を入手でき、ヴィーガン生活のサポートを受けることができます。(情報は英語です。)
また、このキャンペーンは個人に限らず、食品業や製造業、ブランドなどの企業にまで多岐に渡ります。
ヴィーガニュアリーにコミットした企業はヴィーガンオプションを製品やメニューに取り入れます。
すでに、Yelp、Biolife、KFC、マクドナルド、バーガーキング、スターバックスなどの大企業はキャンペーンにコミットして取り組んでいます。
ヴィーガニュアリーの動向
2014年の当初、Veganuaryの支持者はわずか3,300人でした。
しかし、2016年には23,000人、2017年に50,000人、2018年に17万人、2019年に25万人、2020年には記録的な40万人に達しました。
7年前の2014年と比べると13倍になります。
2020年のVeganuaryによって、600以上のブランド、レストラン、スーパーマーケットが参加し、イギリス市場だけで1200以上の新しいヴィーガン製品とメニューが発売されました。
Veganuaryがグリーンマターズ(Green Matters)と共有したデータによると、Veganuary2020に登録した人の17%が、参加の動機として環境問題を挙げています。
2018年、環境問題を理由として参加した人は12%でした。
ヴィーガニズムにより、毎年参加者が増加していますが、中でも環境上の理由でヴィーガニュアリーに参加している人が増加しています。
ヴィーガンの35%は気候危機の懸念を理由にヴィーガンに切り替えています。
Veganuaryによると、2021年には50万人の参加が期待されます。
ヴィーガニュアリーによる環境や動物への影響
爆発的な参加者を出した2020年は、このキャンペーンにより45万回の飛行に相当する二酸化炭素が抑制され、100万匹以上の動物の命を救ったと推定しました。
そして、2014年の設立以来、すでに100万人以上がVeganuaryに参加しています。
ハーバード大学のHelen Harwatt博士がまとめた統計によると、Veganuaryの影響が非常に大きいことを示しています。
以下の数値は2014年から2020年までのVeganuaryの参加者による地球への影響です。
このデータは、Veganuaryの運動が動物や自然界を守り、持続可能な生活であることを表しています。
ヴィーガニュアリー後の人々の意識変化
Veganuaryに登録せずに参加した人も多く、1月以降もプラントベースの食事を継続する人が多くいました。
2020年の調査対象者のうち、47%がヴィーガンを維持することを約束したと述べ、参加しなかった人の77%が『ヴィーガンを再試行する可能性が非常に高い』と述べました。
Veganuaryは、急増しているヴィーガンだけでなく、肉の消費量を減らしたいと考えている人をサポートするきっかけとなります。
GlobalDataの報告書(2020年)により発表されました。
週に何日かはヴィーガン食にするフレキシブルな「フレキシタリアン」や、肉を食べない「ベジタリアン」にとってヴィーガニュアリーはさらに追い風となり、健康的な食事を推進してくれます。
なぜヴィーガニュアリーが盛り上がってるの?
Veganuaryやヴィーガンを始める理由として最大の、「環境問題への懸念」が、Veganuaryが広まっている理由であると言われています。
ミレニアル世代(1980年代〜2000年代生まれの人)の環境危機や健康意識の向上により、ここ数年はVeganuaryを促進しました。
「気軽に誰でも参加できる」ことがVeganuaryを促進しています。
参加者が「1月以降、ヴィーガンの食事を続けないことを決定できる」という部分が人気を集めている要因でもあると思います。
ヴィーガニュアリー2021はどうなる?
コロナウィルスによる安全なプラントベース食への移行
2020年にコロナウィルスによる世界的なパンデミックが起こりました。
これにより、集約的畜産が新興感染症を生み出すということが浮き彫りになりました。
動物がウイルスの増幅期となり、動物から人に感染し、さらにウイルスが変異し、感染が爆発的に広がっています。
集約的畜産が危険なウイルスの発生と蔓延を促進する可能性があるため、プラントベースの食事の緊急性が高まりました。
世界的にロックダウンが生じ、2020年4月から5月にかけてプラントベース肉の売り上げが35%急増しました。
新興感染症のうち60%は動物由来と言われています。
エボラ出血熱、SARS、ペスト菌、サルモネラ菌、鳥インフルエンザも動物由来です。
今回の世界的なパンデミックにより、消費者は感染症と動物のつながりをより意識するようになっています。
また、ロックダウンにより輸出入が制限されたり、畜産工場の家畜や従業員感染により工場が閉鎖したりし、肉の価格が高騰しました。
基本的に、野菜や穀物は自国でも栽培できます。
そのため、供給が安定的なプラントベース食への移行が増えています。
動物由来の感染リスクがないという食の安全性や、供給率の安定性により、プラントベース食を選択する人たちが急速に増えています。
ヴィーガン市場の爆発的な拡大
ヴィーガン市場はイギリス・アメリカ・オーストラリアを筆頭に爆発的に拡大しています。
そして、ここ数年はアジアのヴィーガン需要が急速に高まっています。
特に中国とシンガポールではヴィーガン市場が高まり、多くの企業や投資家がこぞって参加しようとしています。
例えば、プラントベースミルクの市場は200兆円とされています。これは莫大な市場です。
プラントベースミートの年成長率は50%以上であり、卵は200%以上で18兆円もの市場があると言われています。
このようなヴィーガン市場の拡大により、「ヴィーガニズム」への注目が集まり、よりVeganuaryが促進することが期待されています。
環境危機への高まり
ここ十数年で、気候危機がこれまでにない速さで加速し、より多くの人々が食事と環境問題の繋がりに気づいています。
今の時代は、個人の健康だけでなく、地球の健康も視野に入れる食事を選択する人が急増しています。
研究によると、畜産は気候変動と温室効果ガスの主要な原因であり、森林破壊と種の喪失を引き起こします。
SNSの発達により、自国以外の気候危機に関する情報や、動物性食品の環境への影響に関する研究データが多く利用可能になっていることが、環境危機への意識の向上が要因の一つであると言えるでしょう。
これは今年のVeganuaryの主要な焦点でもあると思います。
健康意識への高まり
コロナウィルスのパンデミックにより、毎日スーパーでお惣菜を買っていた人はスーパーへ行く回数が制限され、家で一から料理をする機会が増えました。
一から料理をすることで、料理法や味付けを工夫し、健康を意識しながら料理をする人が増加しました。
在宅ワークや外出制限により、家にいる時間が多くなり、自分の時間ができたことで、料理を楽しむ人が増えたと思います。
また、その外出制限による運動機会の減少により、自身の食生活をよりコントロールする必要性が高まりました。
自宅でできる筋トレ動画と一緒に、家でできる簡単でヘルシーなレシピが人気となりました。
2021年もこの健康意識は拡大し、Veganuaryに参加する人が増加していくことが予想されます。
最後に
「ヴィーガニュアリー」のご紹介はいかがでしたか?
日本でもヘルシーブームにより健康意識が高まっています。
ヴィーガン食を取り入れる理由は様々です。
その切り口が違っても、「ヴィーガン食」にすることは、「ヴィーガン」を知り、理解していくことに繋がっていく可能性もあるため、とても大事だと思います。
また、フレキシタリアンでもベジタリアンでも、肉の消費を減らす運動になるため、環境や動物への負荷は変わってきます。
たった1ヶ月の運動を一人が取り組んだとしても、それが波紋し、大きな効果を生み出します。
ヴィーガニュアリーに参加している人は年々増加しています。
このヴィーガニュアリーの運動がいつか母の日や、父の日のように、「誰かを、何かを想って行う当たり前の運動」となることを願います。
気軽に登録して参加できるヴィーガニュアリーに、まずは1ヶ月、ぜひお試しください。
以下は参考です。
https://www.theguardian.com/lifeandstyle/2020/dec/29/veganuary-biggest-year-lockdown-diet-overhaul
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