ここ数年で、世界のヴィーガンとベジタリアンの人口は急激に増加しました。
過去10年の世界のヴィーガン人口増加率は300%と言われています。
アメリカ、台湾、日本、イギリスやドイツなどのヨーロッパで増加しています。
世界のヴィーガン人口
№1 アメリカ
アメリカは人口の6%がヴィーガンであり、現在、2000万人に推移しています。
2009年にヴィーガンは1%の人口でしたが、その約10年後には、6倍となっています。
アメリカ人の25~34歳のアメリカ人の四分の一が自身をベジタリアンまたはヴィーガンだと主張しています。
アメリカの35%の人がローミートダイエット: Low meat diet(肉を減らす生活)をしています。
米エコノミスト誌
アメリカは「自身の国の食事が不健康である」と自負している人が多いです。
そして、世界死因一位の心疾患は、アメリカでも一位の死因です。
また、糖尿病・肥満・高血圧の人が多いですが、医療保険が高く、医療制度が整っていません。国民全員が医療を満足に受けられないという問題があります。
このような背景がある為、自分で健康を守る必要があり、ヴィーガンの流行に繋がっているようです。
2019年は『Veganの年』とされました。(米エコノミスト誌)
この年はビルゲイツやレオナルド・ディカプリオが資金提供している『Beyond meat(ビヨンドミート)』や、『Impossible Foods(インポッシブルフーズ)』が大成功となり、ヴィーカニズムが高まった年となりました。
ビヨンドミートビヨンドミートはスーパーに焦点を当てており、これにより、気軽にスーパーでヴィーガンソーセージやヴィーガンチキン、ヴィーガンバーガーを買えるようになりました。『世界で初めてスーパーの肉売り場に販売されたヴィーガンの肉』として有名です。そして、中国や台湾のスターバックスでビヨンドミートの商品が扱われることになったため、今後さらにヴィーガンを広めることになるでしょう。
インポッシブルフーズインポッシブルフーズは本格的な肉の味の開発に成功し、様々なベジタリアン・ヴィーガン向けレストランと提携しました。これにより、本格的なヴィーガンバーガーをレストランで食べることが可能になりました。
ニューヨークは140店舗以上がベジタリアン・ヴィーガン対応の店だそうです。
2018年、「アメリカでヴィーガンに最も寛容な街」としてニューヨークが見事一位を獲得したそうです。
ニューヨークではヴィーガンであっても、何でも食べられます。
ヴィーガン寿司、ヴィーガンピザ、ヴィーガンアイス、ヴィーガンタコス、ヴィーガンパンケーキなど選択肢が豊富にあります。
№2 イギリス
イギリスは人口の7%がヴィーガンであり、470万人に推移しています。(2018年)
2006年はヴィーガンが15万人だったのが、12年後、約31倍に急増しています。
イギリスで、ベジタリアン・ヴィーガンの人は12%に及びます。
イギリスはヴィーガン発祥の地で、1940年代にヴィーガンというライフスタイルが誕生しました。
もともとベジタリアンの人口が多いイギリスでは、ベジタリアンからヴィーガンに移行する人が多いそうです。
また、環境問題への意識が高く、「家畜は温室効果ガスの原因となる」ということが広く認知されているそうです。
イギリスに400店舗持つ大手スーパー(ASDA)では、肉と魚の販売コーナーを全店舗廃止することが決定されました。(2020年)
ロンドン大学ゴールドスミス校では、牛肉を使用した食べ物が禁止されました。
牛肉は温室効果ガスの原因であるため、環境に配慮して決定されました。
これは、家畜を育てる土地確保のために起きた、アマゾンの大規模な火災があったからです。(2019年)
№3 日本
日本は人口の2.7%がヴィーガンであり、340万人に推移しています。(2016年)
日本は長寿国で、魚を使用した和食の文化があり、健康な食事をしているイメージがあり、なかなかヴィーガンは浸透していません。
また、島国で外国人が少なく、新しい考えを取り入れることよりも、今までの文化や考えを重視する保守的な国という印象があります。
しかし、「菜食ブーム」があり、健康意識は高まってきています。
ヴィーガンという言葉はまだ広まっていなく、食品にもヴィーガンという文字はなく、ヴィーガンマークもありません。
しかし、『植物性由来』という言葉でこっそりヴィーガンの新商品を出している企業が増えています。
もしかしたら、今日食べたお菓子がヴィーガンだったかもしれません。
「今の日本人は、アメリカ人よりも野菜を摂取していない」ということが厚生労働省や農林水産省の調査により判明しました。
以下は参考です。
日本で人気の安いランチは、牛丼、パスタ、ラーメン、おにぎり、うどん、カレーなどで、炭水化物が多く野菜が少ないです。
日頃の食事を見直し、菜食を取り入れている人は、日本も増えてきています。
また、2020年に開催予定だった東京オリンピックに向けて、ベジタリアン・ヴィーガンのお店が増えたようです。
この2年間で、成田空港にヴィーガンのお店「T’s たんたん」というヴィーガン担々麺が人気のお店が2店舗できました。
また、日本でヴィーガンのお店が最も多いのは沖縄です。東京だけでなく、京都や北海道もヴィーガンのお店が増えています。
ターゲットは外国人旅行客です。
東京大学・京都大学・神戸大学・早稲田大学・一橋大学・名古屋大学ではヴィーガン対応メニューがあるそうです。
これらの大学は、外国人留学生を多く受け入れているため、留学生に配慮してヴィーガンメニューが導入されました。
日本では、外国人やその旅行客のために、ヴィーガン市場が広がりを見せています。
№4 ドイツ
ドイツは人口の1.6%がヴィーガンであり、132万人に推移しています。(2018年)
ドイツの35%の人がローミート(肉を減らす生活)をしています。
10人に1人がベジタリアンやヴィーガンであり、ベルリンでは、15%にのぼります。
ドイツはトルコ系・イスラム系の移民が多く、特にベルリンはその数が増え、多種多様な人種がミックスする街です。
その背景があり、ベルリンは特に個人を尊重する街となっています。
自由で、他人に対して制限する人はほとんどいないそうです。きっと日本にある強い同調圧力は皆無なんだと思います。
「ヨーロッパで最もヴィーガンが住みやすい街はベルリン」といわれ、「ヴィーガンが世界一住みやすい街ランキング」でも常にトップです。
ベルリンのレストランでは、必ず一つ以上はベジタリアン・ヴィーガン対応の食事があるそうです。
2011年にベルリンに新設されたヴィーガンのスーパーは大人気で、ドイツ内外で店舗を増やしているそうです。
肉食文化のドイツでは、それに代わって、ヴィーガンソーセージ、ヴィーガンサラミなどが増えています。
オーガニック先進国であり、ベジタリアン・ヴィーガンも浸透しているドイツは、健康を意識する人にとってはぜひ行きたい国だと思います。
№5 台湾
台湾は人口の5%がヴィーガンであり、115万人に推移しています。(2014年)
台湾で、ベジタリアン・ヴィーガンの人は13%に及びます。
台湾には、宗教的思想により『素食(スーシー)』という精進料理があります。
質素な食事という意味ではなく、中国語で「菜食」という意味を表します。
素食は、卵・乳製品・肉・魚という動物性食品のものは一切摂取せず、ヴィーガンの食事スタイルと同じです。
それに加え、『五葷(ウーフン)』と呼ばれる、葱、韮、大蒜、らっきょう、玉ねぎも使いません。
動物性食品や五葷は、宗教的観点からすると、興奮作用があり、精神を乱すものとされ、避けるべき食品とされています。
屋台やレストランでは「素食」という言葉が多くみられ、素食を食べる人が一定数います。
日本のように「ヴィーガン」というと協調性がないマイナスのイメージなどはなく、むしろ、台湾では宗教的に推進されている食事なので、
自分はそこまで厳格にヴィーガンになれていない。すごいね!
といった反応が返ってきます。
また、現在は健康意識が高まっているため、素食にし、ヴィーガンをしている人が多いそうです。
最後に
世界ではベジタリアン・ヴィーガンの人口が確実に増えています。
やはり、アメリカの影響力は大きいですね。
セレブ業界では、ヴィーガンの人口が増え、ヴィーガンでない人は、環境問題や動物愛護に関心がない人と思われるそうです。
このように、ヴィーガンがステータスとして変化している国もあります。
日本は340万人と意外と多かったですね。日本人口は1億2500万人とヨーロッパの国に比べて母体数が多いです。
「食の好みは個人の自由」というのが、世界では常識となりつつあります。
日本も食事ができる環境が整い、より外国人旅行者が増えたり、日本に移住した外国人にとって住みやすくなったりするといいですね!
6位以下の国については、以下の記事で詳しく紹介しています。
以下の記事では、『ヴィーガンになりやすい国をランキング化』して、ご紹介しています。
以下は参考にした数値です。
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