私は、お肉はもともと好んで食べる人ではありませんでしたが、焼き魚や煮魚など、魚は大好きでした。
しかし、今は魚をみると、海の環境問題や、その魚だけでなく、獲る予定がなかったのに捕られて失われていく海の生物の命を考えてしまうため、魚を買って食べることができません。
今、漁業の乱獲、ゴーストネット、漁船の燃料による海洋汚染など、様々な問題があります。
ここでは、魚と海の環境問題について考えていきたいと思います。
魚の乱獲(日本)
あらゆる海から魚が集まる世界最大の卸売市場は東京にあります。(かつての築地)
何十万もの海洋生物が1年で消費されていきます。1950~2014年の個体数推移としては、太平洋クロマグロ残り5%、サメ残り10%、タラ残り5%です。(引用:Sylvia Earl シルヴィア・アール 海洋生物学者)
サメは毎年数千万ものサメがヒレだけ切り取られ、海に捨てられています。
このような搾取の仕方は、生態系が乱れる要因となります。
また、メーンヘーデンという魚は、今は聞きなれないですが、昔は視界を遮るほど膨大な数が群れをなして泳いでいました。しかし、掃除機のような巨大な機械で捕獲され、数が激減しました。鶏のエサにするためです。そして、メンヘーデンは油が豊富なため、オメガ3のサプリとしても乱獲されています。
今の時代は、世界人口の増加に伴い、大量生産が行われています。それは、漁業でも同じです。
犠牲となる多くの命
巨大な網を使って、不必要な大きな魚や、イルカやサメ、カメまでもが網にかかってしまい、命を落としています。
1kgの魚をとるごとに、5kgの不要な生物が網にかかっています。巨大な網は無差別に生物を獲っていくのです。
海では、捕食者の生物量が90%も減少しました。
あるところで、大量の魚が海に浮かんでいました。
それは、網により傷ついた魚の死骸でした。網の中でかかって傷ついたものは、このように海に捨てられます。
漁業の乱獲問題
魚の乱獲により、2048年には海から魚が消えると言われています。(2006年アメリカの科学雑誌「Science」に掲載された論文により)
科学者が決めた漁獲割当量など誰も守ってはいません。残さずにすくい獲っています。
世界の商業魚種資源の80%が開発し尽くされていると言われています。
私たちは、200年もかけずに、地球が40億年で築いた自然を破壊してしまいました。
海は偉大なる母です。すべての生命の誕生の場所です。私たち人間が我が物顔で、海を汚し、乱獲し、魚は絶滅に追いやられています。
このアシカは群れと離され、網の中でずっと泣き叫んでいました。
ゴーストネットの問題
漁業による乱獲は、ゴーストネットという問題を引き起こします。
ゴーストネットとは、意図的に捨てられた、または誤って落とした網が海を漂い、クジラやアザラシ、カメなどに絡みついたものを表すために造られた用語です。
毎年推定10万匹の海洋動物が、プラスチックの漁網で首を絞められたり、窒息したり、負傷したりしています。
Slatの科学者チームが2018年3月22日に発行したサイエンティフィックレポートの総合ニュースによると、太平洋ゴミベルトのゴミのうち46%が漁網であり、残りのほとんどがロープや牡蠣養殖用パイプ、うなぎ用の罠、木箱、カゴなどの漁具が占めます。
また科学者たちは、瓦礫の20%は2011年に発生した日本の津波によるものだと推測しています。(引用:Foodfacts)
漁業による海の汚染
漁業をする際、巨大なモーターがついた船を使用します。このモーターを回すために膨大な量の燃料を海に流れ出ています。
漁業をする際は、その船により海も汚染されていくのです。
船がもたらす油流出による海洋汚染の中で、漁船が最大の原因となっています。
養殖業における問題
カタクチイワシは、人間の食用のためではなく、養殖である鮭、鯛、スズキのエサとなるため、大量のカタクチイワシが海から獲られています。1kgの養殖魚には4kgのカタクチイワシが必要となります。
では、イワシが絶滅したら次はどうするのでしょう。
地中海の養殖業はEU諸国の公的な助成金で事業を拡大しており、生物種の保全のための予防措置もありません。
乱獲天国は船の墓場(遠洋)
その海での漁獲量が減ったら、漁船は遠洋へと向かいます。
遠洋は海の3分の2を占め、自由な領域です。つまり、先に獲ったもの勝ちです。
西アフリカでは悪質な船主が、貧しい漁師たちを遠洋へ向かわせます。ボロボロで壊れそうな船を与えられ、食料は滅多に遠洋まで届けられません。そのため、命を落とす人が大勢います。
モーリタニアのヌアディブ港には、何百隻もの壊れた船があり、船の墓場となっています。
このような違法漁業はアフリカで多く、魚は違法漁船から合法漁船に移され、国際市場へ売られています。違法漁船による漁獲量は推定2600万トンであり、世界の漁獲量の4分の1を占めます。
お金と海
大西洋クロマグロは絶滅の危機にあります。しかし、地中海でのこのマグロは合法です。マグロは高級魚であり、300kg級の大物マグロは400万円以上で取引がされます。
利益が海を支配しているのです。
クラゲが急増している原因は、この捕食者であるマグロの激減です。これは世界各地で起きている現象です。
世界各地の沿岸部400の水域が、海洋生物が生存できない「死の海域」となっています。
最後に
今回の記事の中で、初めて知り、驚いた内容はありましたか?
その時の衝撃や感情を忘れないで下さい。お魚を見た時や買う時は、思い出して下さい。
海の状況や漁業の場面は見えませんが、上記のことは事実であり、実際に起きていることなのです。
人間は生物界の頂点にいるからこそ、生き物を搾取して絶滅させるのではなく、種の保存のために行動を起こすべきだと思います。
タンパク質は、魚以外の植物性食品から摂取できます。海藻や魚に含まれるオメガ3も、フラックスシードや、ヴィーガンのサプリメントから摂れます。今は、魚を食べないという選択ができるのです。
私たちの今後の選択が、地球上のすべての運命を決めます。
「完璧に出来ないからと言って、何もしなくていいということにはならない。」
この言葉をどこかで知ったとき、とても胸に響きました。
ゼロか100%でなくてもいいのです。ただ、100%ではないからと、それに甘んじてはいけないと思いました。
海を守りたいと感じた人は、漁業の生産量を少しでも減らすために、日々の食事で魚の消費量を減らす選択肢を考えてみて下さい。
引用:Netflix「Mission Blue」,Netflix「Planet Ocean」
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