くじら

日本の伝統である捕鯨に関する問題を理解する【後編】

この記事は【前編】の続きになります。

まだ見ていない人は以下のリンクから見て下さい。

https://vegan-japan.com/whaling-problem/

【前編】では捕鯨にかんする日本とアメリカの歴史についてみてきました。

今回は、イルカ漁問題提議として有名な映画『The cove』や反捕鯨団体などについてご紹介します。

こんな人におすすめ
  • 捕鯨問題に関する映画を知りたい!
  • 反捕鯨団体はどんな団体なの?
  • アメリカが日本の捕鯨反対になったきっかけは何?

悪意のある映画『The cove』

映画 the cove

『The cove』という映画は、和歌山の太地町を撮影した映画です。

監督は、鯨やイルカの保護団体である海洋保全協会(Oceanic Preservation Society, OPS)の会長、ルイ・シホヨス(Louis (Louie) Psihoyos)。

主演は、反捕鯨団体シーシェパードの顧問会議に名をつらねるリック・オバリー(Richard O’Barry)。

彼らによるこの映画製作は、捕鯨やイルカ漁反対を刷り込ませることを目的としています

つまりこれは、歴とした政治的なプロバガンダ映画です。

ドキュメンタリー映画ですが、内容は事実と全く違う部分が多くありました。

しかし、この映画はアメリカでアカデミー賞をとりました。

太地町の水産庁は事実と違うことに対して、抗議をしようとしましたが、国際裁判は費用がかかるとして、結局、抗議をすることはなかったそうです。

『The cove』で撮影されたイルカ漁においては、その殺すシーンのみが、よく海外の捕鯨問題やイルカ漁問題のニュースで使用されています。

私もその部分を見たら、イルカ漁が少しホラーに感じます。

この映画によって日本のイルカ漁に対しマイナスなイメージをもった海外の人は多いでしょう。

日本は恐ろしいイルカ漁によりイルカを虐殺していると認知させることになりました。

おすすめの映画は『Behind The Cove〜捕鯨問題の謎に迫る』です。『The Cove』に対して製作された、日本の捕鯨の事実を世界に広めたドキュメンタリー映画です。Netflixでも見れます。

behind the cove 映画

反捕鯨団体「シーシェパード」

シーシェパード(Sea Shepherd)は反捕鯨団体です。『The Cove』の映画の後、撮影地の太地町が有名になり、シーシェパードの団体は太地町にきて、捕鯨風景を撮影しています。

黒いTシャツに、ドクロの印のある海賊のようなマークがシンボルであり、本当に自然愛護団体なのかなと感じます。

シーシェパード

私たちの使命は彼らを惨めにさせることであり、カメラと声が武器である。行動は解毒作業だ。


シーシェパードの資料Hello Prospective Cove Guardran

これが正式なシーシェパードの行動規定となっていることが驚きです。

映画「The cove」を見る限り、そのような行動が多く見られたので、確かにそれが規定で認められ、推進されていることがよく分かります。

日本だけをターゲットに捕鯨について言っているのではない。他国にも行って反捕鯨運動をしている。


The coveに出演しているRic O’Barry

しかし、ミラノや海外で、日本の国旗をもって反捕鯨運動をしている写真が、彼のFacebookに載っています。

実際は、海外に行きながら、各地で日本の反捕鯨を訴えているということが分かります。

捕鯨をしているのは日本だけではありませんが、「捕鯨=日本」というイメージを海外で広めているのです。彼らのその意図は分かりません。

「弱気な日本に、反捕鯨を訴えれば捕鯨を止めそうだから、まずは日本の捕鯨を止めさせよう」ということなんでしょうか。

アメリカの日本への干渉はなぜ?

くじら

アメリカが日本の捕鯨の反対となったきっかけ

では、なぜアメリカは、日本の捕鯨に反対したのでしょうか?

それは、ベトナム戦争の批判を国連で回避するためでした。

そのため、ニクソン大統領は日本を利用したのです。(ワシントンD.C.のアメリカ公立文書館のテレビ番組が入手した文書より)

ブッシュが大統領の時に、京都議定書の際に1番に抜けたアメリカが環境保護として反捕鯨を掲げていて、、本当に違和感を感じます。

そのシーシェパードや太地町を訪れる外国人はヴィーガンの人が多いです。残念に思いました。

ヴィーガンの中には、やはり過激な人が一部います。

なぜ家畜ではなく鯨なのか

ならば、どうして、鯨だけなんでしょうか?

捕鯨問題において、鯨が可愛そうという意見がよくあります。確かに、命は尊いです。

しかし、羊や牛などの大きな哺乳類を忘れがちではありませんか?

ブラジルも以前、鯨を食べていましたが、現在は、アメリカと同様、家畜に重点を置いています。

家畜は、狭い囲いで自由がなく、時には暴力的に扱われ、哀れな生き方をして殺されますが、鯨は、自由に生きてから殺されます。

その方がより良い動物保護とは思いませんか?

飼育中の糞尿による汚染や、多大な水資源の利用、土地の利用もなく、地球温暖化の原因にはなりません。

アメリカの方が家畜による規模は大きいので、わざわざ日本に来なくても、自国で彼らを救うのが一番効果的なのではないでしょうか?

そして、日本は鯨の消費は現在減少していて、肉や魚の消費の方が多いため、それについて日本人に環境保護や動物保護の気持ちを伝えた方がより良いのではないかと思います。

動物の優劣問題

知能が高い高等生物は守るべき存在で、劣等動物であるひよこはシュレッターにかけてもいいという考えが海外です。

動物に優劣をつけたため、種差別が生じています。

キリスト教は神→人→動物の順で優性があります。

日本は仏教の教えの元、「すべての命は尊い」という考えなため、人や動物や植物、すべての命は同等として扱ってきました。そのため、意味もなく殺生するのは避け、必要最低限の殺生をしてきました。

これはサステイナビリティー(持続可能性)に通じるところがあると思います。

過剰な食事量は避け、今ある食事を大事に食べるということです。

現在は、すべての命が同等なためすべて大事に食べるのではなく、動物から栄養を接収しなくても他の選択があるため、なるべく動物の殺生は避けていく流れになってきていると思います。

食文化の問題

寿司

他国の食文化

他国の食文化の部分について話をするならば、中国で犬や猫が食べられていることについて、まず講義をするべきではないでしょうか。

世界ではペットとして、扱われているはずの動物が食用とされているのですから、その方が講義をしやすく、また受け入られやすいと思います。(中国という民族性から日本のように容易く折れるか別の話になりますが)

なお私たち日本人は、過去もそうでしたが、現在はいっそう鯨を滅多に食べません。

日本人は魚を食べる方が多いため、そちらを講義する方がより多くの命を救えると思います。

無形文化遺産の和食

現在、アメリカではヴィーガンが増えていますが、日本は和食という食事スタイルが確立していて、ヴィーガンになるのが本当に難しいです。

何にでも鰹出汁が入っていて、おでんや蕎麦のつゆにも含まれています。

例えば、蕎麦においては、生麺でないと、卵が乾麺に練り込まれているので食べれません。私自身、外食の時には少し不便を感じています。

また日本は、海に囲まれた島国なので、漁業が盛んでした。

それに対しアメリカの食事の伝統は長くはなく、ハンバーガーやピザが食事スタイルで、選択の自由により、様々な食事を選択できます。

ヴィーガンが多いのはイギリスやドイツ、アメリカです。

とても失礼な話ですが、そもそも、食べる物が美味しくなく、ヴィーガンになるのは日本よりも簡単だと感じます。

日本食は無形文化遺産となっています。バランスが良く、健康的であるのはもちろんのこと、それに加え、出汁による旨味成分がよく効いているからだとも思います。

旨味について発見したのも日本人です。「出汁がきいていない」という感覚は旨味の不足によるものです。日本人の舌が肥えているのは、和食を作った祖先のおかげですね。

この発見により、四基本味(甘味・塩味・辛味・苦味)の基本味に加わるべき第五の基本味として、この旨味が加わり、世界共通の認識となりました。

日本食

最後に

この食文化から、抜け出し、ヴィーガン生活をするのは本当に難しいです。

日本の歴史的背景や伝統を理解した上で、捕鯨について考えて欲しいと思いました。

自分の国のことは、自国で決めるのであって、他国が、違う国に向けて、何を食べるのか食べないのか決めるべきことではないと思います。

それは、私たちが決めることです。

ちなみに私は、イルカや鯨も、牛や豚や犬も、同等に命が尊いと思っています。

彼らは個性があり感情のある生き物です。

そのため彼らを虐げることに繋がることや、食べるといった行為はしません。

暴力に繋がることに加担したくないからです。

もしあなたもそう思ったのなら、ヴィーガンという生き方の選択もあります。

自分の考えに誠実な生き方がヴィーガンです。

ただ考えているだけで行動しなければ、捕鯨や和食などの文化という根本を変えていくのは難しいです。

ミクジェンヌ
ミクジェンヌ

今回の記事の捕鯨問題で、何か感じることがあったり、捕鯨に対する考えが少しでも明確になれば幸いです。

ヴィーガンが多い国については以下の記事です。

https://vegan-japan.com/advanced-vegan-population/

参考:「Behind The Cove〜捕鯨問題の謎に迫る」

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