ペスカタリアンについて、ご存知ですか?
最近、ペスカタリアンは痩せることや肌がきれいになることを目的に実践する人が増えています。
また、筋トレをする人たちの中でもパウォーマンスアップや、健康のためにペスカタリアンに移行する人がいます。
ペスカタリアン、ぺスカとは何か
ペスカタリアンの特徴
ペスカタリアン(pescatarian)、魚を食べるベジタリアン(vegetarian)です。
魚、乳製品、卵を食べますが、お肉だけは食べません。
日本語だと魚菜食主義と言います。
ぺスカ(pesca)とは、イタリア語で、魚釣り(fishing)や魚(fish)の意味があります。
ペスクタリアン(pescetarian)という言い方もあります。
どちらでもいいそうですが、ペスカタリアンと呼ぶ方が多いみたいです。
魚を食べる理由
動物愛護が目的のエシカル(倫理的な)ヴィーガンの中には魚にも痛覚があるとして、それを理由に魚を食べない人たちがいます。
一方、ペスカタリアンが魚を食べる理由には、魚に痛覚がないからという考えを持つ人もいるそうです。
しかし、それについては最近の研究で「魚は痛みを感じる」ということが分かってきたので、ペスカタリアンにとって新たな転換期となりそうです。
以下は魚の痛覚について書いた記事です。
https://vegan-japan.com/vegan-fish/
ヴィーガンとぺスカタリアンの違い
ヴィーガン(完全菜食主義)は、肉・魚・乳製品・卵を摂取しません。動物由来のものを避けるため、中にはかつお出汁・ゼラチン・白砂糖を摂取しない人もいます。
ペスカタリアン(魚菜食主義)は、肉のみ食べず、魚・乳製品・卵は摂取します。
ぺスカのメリット
痩せる
お肉を食べないので、摂取カロリーが減ったり、その分野菜を食べ食物繊維量が増えたりし、痩せる人が多いそうです。
肌の調子が良くなる
肌がきれいになったり、肌の調子が良くなったりする体験談があります。
魚から栄養(オメガ3脂肪酸)を摂取できる
魚を食べるベジタリアンなので、魚からオメガ3を摂取することができます。
ヴィーガンまでいくと、魚を食べないので、オメガ3はフラックスシードや亜麻仁油、チアシード 、サプリメントなので意識的に摂取する必要があります。
ペスクタリアンだとその手間が省けるので気軽に食生活を変えることができます。
ヴィーガンや菜食に移行しやすくなる
ヴィーガンやべジタリアンに移行するステップアップとして、まずはペスカタリアンを始める人も多いそうです。
慢性疾患のリスクが下がる
肉から魚の摂取に変更した場合、冠動脈疾患、Ⅱ型糖尿病、心疾患やがんなどの死亡リスクが7%下がるという研究報告があります。(米ハーバード大学の研究)
https://www.afpbb.com/articles/-/2864982
地球環境に良い
家畜による環境への影響は、温室効果ガスの排出・糞尿による水質汚染・森林伐採の促進など様々あります。
ペスカタリアンは、肉を食べないので、これらの環境改善に繋がります。
以下の記事で肉を食べることがどう環境に影響するのか、紹介しています。
https://tecorgtbt.com/contribute-to-reducing-environmental-impact-by-eating-2/
動物愛護の意識が高まる
現在、家畜は集約商業的生産により世界人口よりも多くなっています。
工業的な畜産はコストを最小限にして大量生産が可能となりましたが、倫理的な問題や持続可能なのか、工場畜産の在り方が問題視されています。
工場畜産では、動物は糞だらけで、麻酔なく切断します。
ペスカタリアンは、それに加担し、動物を間接的に殺したくないという考えがあります。
ぺスカのデメリット
乾燥肌になる
乾燥肌になったという体験談もあるので、肌の調子がどうなるのか、人それぞれなのかもしれません。
水銀の摂取量が増えてしまう
自然界にある水銀や人為的に排出された水銀が魚に蓄積されます。人為的に排出された水銀はごく一部です。
蓄積される部分は魚の内臓ではなく、赤身の部分です。
水銀はアミノ酸と結合するため、アミノ酸から成り立つタンパク質の部分である赤身に多く含まれます。
また、食物連鎖により、小さい魚よりも大きい魚(クジラ、マグロ、メカジキ)により多く水銀が蓄積されます。
水銀は胎児の成長に影響があるため、妊娠中の方は一週間に食べる量を制限する必要があります。
以下のリンクは厚生労働省が妊娠中の方に定めた魚の摂取量です。
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/dl/051102-2a.pdf
以下のリンクは魚と水銀に関する環境省の情報です。
http://nimd.env.go.jp/archives/tenji/e_corner/qa8/8top.html
抗生物質、ワクチン、駆虫剤の摂取
魚は家畜と同じで病気や伝染病になるリスクがあるので、様々な薬が投与されています。
抗菌・抗生物質、麻酔剤、ワクチン、駆虫剤、ビタミン剤、消毒剤などです。
以下のリンクは農林水産省が定めた魚への医薬品の種類と使用量です。
https://www.maff.go.jp/j/syouan/suisan/suisan_yobo/pdf/suisan_iyakuhin_3.pdf
マイクロプラスチックを摂取するリスク
マイクロプラスチックは化学繊維由来の衣類や空気中にもありますが、魚にもマイクロプラスチックが含まれます。
特に内臓に多く蓄積されますが、魚の筋肉や脂肪からも見つかっています。
そのため、イワシやシシャモ、アサリやハマグリは、内臓も含めてまるごと食べてしまうため注意が必要です。
海洋マイクロプラスチックには、海に残留している疎水性の有害化学物質が吸着しています。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルなどです。
マイクロプラスチックは、魚のホルモン系や生殖機能へ影響したり、肝機能障害や腫瘍の生成の原因になるという研究結果が報告されています。
まだ人体への影響については解明されていないそうです。
以下のリンクは参考です。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/mcwmr/29/4/29_261/_pdf/-char/ja
漁業から環境汚染につながる
漁業は、漁船の燃料流出による海洋汚染や、乱獲、ゴーストネットの問題があります。
詳しくは、以下の記事で紹介しています。
https://vegan-japan.com/sea-environment-issues/
美味しいお肉が食べれない
もちろん、このデメリットはあります。
あんなに美味しいお肉が食べれず、その美味しさを友達や大切な人と共有できない寂しさがあります。
ペスカタリアンを実践している人
元超肉食のイケメントレーナーさん
超肉食だったイケメン、パーソナルトレーナーさんが、30代になって健康について考え、ペスカタリアンになったそうです。
みっきの覚書のみっきさん(ブロガー)
バンコク在住のみっきさんは、イギリス人の旦那さんがペスカタリアン。
みっきさんは、一緒に生活する中で肉の摂取量が減ったそうですが、ペスカタリアンではないそうです。
最後に
ペスカタリアンは健康を意識している人やヴィーガンやベジタリアンの食事に移行したい人にとっては、とても入りやすい食生活です。
もし、興味があれば少しずつ食事を変えてみて下さい。
ペスカタリアンについて知っているヴィーガンの友達もいました。
ヴィーガンでも、ペスカタリアンや他の人のライフスタイルを知り、より理解を深めたいと思いました。
ライフスタイルはそれぞれで、その人の価値観によります。
考え方が違っても、お互いを尊重し、いいところは取り入れ情報交換をしていきたいと思います。
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